People #02

自ら設計したチャペルで結婚式を挙げて見つけた、図面の「外側」にある答え

営業本部 設計部 係長

2005年 キャリア入社

建築の専門学校を卒業後、デザイン事務所へ入社。花谷建設へは2005年に入社し、工事部での施工管理経験を経て、入社2年目から設計部門へ異動。以来、20年にわたり、地元・住之江を中心に数多くの民間案件の設計・監理を手がける。

Defining our Legacy.

あなたにとって
花谷建設とは?

単なる職場ではない。設計者としての「土台」を築いた場所

建築人生の大半を過ごし、真っさらだった私を一からプロの設計者に育ててくれた場所です。社会人人生のほとんどをこの会社と共に歩み、成長を支えてもらいました。仕事の技術も思い出もこの場所に詰まっており、私にとって安心できる代えがたい「ホーム」ですね。

自分が設計した空間で、人生の節目を迎えるとしたら──。彼は、かつて担当したハイアットリージェンシーの披露宴会場を、自身の結婚式の場に選びました。実際にユーザーとして空間を使ったことで、図面では分からなかった「実際の使い心地」に気づくきっかけになったといいます。
ユーザーとしての実体験から得た気づきや、花谷建設で20年にわたって積み重ねてきた仕事について聞きました。

慣れ親しんだ地元の建物を手がける。施工管理から始まったキャリア

ーーまず、建築の道を選ばれたきっかけを教えていただけますか。

進路に悩んでいた高校3年生の頃、本屋で建築雑誌を読んだことが始まりでした。有名な建築家の方々の作品を見て、「格好いいな、自分もこんな建物を作ってみたい」そんな純粋な憧れが湧き上がってきたのを覚えています。

ーー最初のキャリアは、どのような環境だったのでしょうか。

専門学校を卒業してすぐに店舗設計のデザイン事務所へ入社しましたね。当時は修行としての側面が強く、将来を考えてより腰を据えて技術を磨ける環境へと進むことにしました。

ーーそこから、なぜ花谷建設を選ばれたのでしょうか。

恩師から「設計をやりたいなら、まずは現場を見ておいた方がいい」とアドバイスをいただいたのがきっかけです。地元である大阪市内で探していたところ、花谷建設の存在を知りました。驚いたのは、自分が慣れ親しんでいた地元の建物の多くをこの会社が手がけていたことです。親近感と同時に、深い縁を感じましたね。

ーー実際にはどのような職種からのスタートだったのでしょうか。

面接では「いずれは設計をやりたい」という想いを伝えつつ、まずは5年くらい現場を経験するつもりで入社しました。入社後、実際に現場監督として1億円規模の鉄骨造の工場、倉庫などを担当する日々は、学びの連続でしたね。あの泥臭い経験があったからこそ、図面の上だけで物事を考えない「現場感覚」が養われました。

デザイナーの理想を現実に変えるプロのこだわり

ーー実際には、入社後いつ頃設計部へ異動されたのでしょうか。

実は、入社してまだ1年ほど経った頃なんです。現社長による、まさに「鶴の一声」でした(笑)。私の希望を汲み取ってくださったのだと思いますが、予想よりも早いタイミングだったので驚きましたね。最初は上司に同行して役所回りや打ち合わせの補助から始め、徐々に一人で案件を任せていただけるようになりました。

ーーそうして経験を積まれていく中で、ご自身の「転機」となったようなプロジェクトはありますか。

約15年前、当時まだ先駆けだった「ハウスウェディング(※)」の案件ですね。ハイアットリージェンシー(現:グランドプリンスホテル大阪ベイ)というブランド力のあるホテルの仕事でした。有名なデザイナーの方が描いたイメージを、実際の建物として成り立つ「設計図」へと翻訳していく。非常にクリエイティブで、かつ難易度の高い仕事でしたね。
(※)邸宅や専用施設を一棟単位で使用し、建築空間そのものを舞台として設計・演出する結婚式スタイル。

ーーイメージを形にする過程では、どのような苦労がありましたか。

デザイナーさんの描く美しい世界観を、いかに確実な建築物として具現化していくか。そこが設計者として腕の見せ所でしたね。高級感を損なわないよう、普段使わないような高価な部材を選定したり、日本国内の厳しいデザインチェックをクリアしたりと、デザイナーさんの理想に、技術で応える。その難題の連続に、ただただ夢中になっていました。

ーー設計者として、どのような点にこだわりを持っていますか。

私たちの仕事は、決まった型を組み合わせることではありません。土地の形状やお客様のご要望に合わせることが重要です。一つとして同じ建物はなく、毎回が真剣勝負だからこそ、お客様の要望にプラスアルファの提案を添えてお返ししたいと考えています。

「作り手」から「使い手」へ。自ら設計した会場で迎えた結婚式

ーーその後、ご自身が設計されたその会場で、実際に結婚式を挙げられたと伺いました。

そうなんです。ただ、設計していた当時はとにかく目の前の図面を形にすることに必死で、自分の結婚式の舞台になるなんて、まったく想像していませんでした。
数年後、いざ会場選びを始めたときに、ふらっと立ち寄った相談カウンターで、かつて手がけたハイアットリージェンシーの披露宴会場を紹介されたんです。なんとも言えない不思議な感覚でしたね(笑)。

▲設計を手がけた結婚式場「THE GUEST HOUSE」

ーー実際にユーザーとして自分の作品に触れてみていかがでしたか?

妻も気に入ってくれましたし、何より縁を感じてそこに決めたのですが、いざ当日を迎えると、まったく別の場所に見えましたね。
構造も細部もすべて頭に入っていたはずなので、目新しさはないと思っていたんです。でも、一歩踏み出した瞬間に見えたのは、まったく新しい空間でした。
設計していた当時の苦労や葛藤が、この日の笑顔のためにあったのだと、点と点がつながったような感覚です。扉が開いて一歩踏み出し、自分自身が新郎としてその空間を体感した瞬間、言葉にできない感動が溢れました。

ーーそういった素敵な体験を経て、設計の仕事にも何か変化はありましたか?

「図面上の正解が、必ずしも心地よさの正解ではない」というそのわずかなズレに気づけたことですね。実は、中庭に写真映えを狙って作った人工の滝があったのですが、いざ立ってみると、水量や立ち位置によっては、ドレスにしぶきが飛んでしまう可能性があることに気づきました。そこで、水量と仕上げ材の角度を変更し、調整を行ったんです。
図面上では完璧な美しさだと思っていても、実際の使い勝手とは微妙な温度差がある。それを身をもって体験できたのは大きかったですね。

▲実際に設計した中庭(人工の滝)

ーーそれ以来、設計に対する「視点」は変わりましたか?

「想像力の深度」が変わりました。単に見栄えが良い図面を作成するのではなく、ここで人がどう動き、何を感じ、どんな不便を感じる可能性があるか。ユーザーの視点に立って、シミュレーションを繰り返すようになりました。
あの日の経験は、設計者として何にも代えがたい「財産」になったと感じています。

一人では「100点」を出せない。設計と現場が支え合う「チーム」の力

ーー設計図を実際に「形」にしていくプロセスにおいて、特に大切にされていることは何でしょうか。

「自分一人ですべてを決めすぎないこと」でしょうか。設計者が一人で100点を出すことは、現実的には不可能だと思っています。実際、現場が始まれば「これでは施工できない」という壁にぶつかることもあります。
そんな時、現場監督から意見をもらい、一緒により良い形を模索する。営業や経理も含め、全部署が「一つのチーム」として助け合わなければ建物は完成しませんから。

ーー設計図を書くだけでなく、他の部署にもチームの一員として深く入り込んでいくんですね。

これは単なる会社の仕組みである以上に、設計職としての「本来の在り方」だと考えています。営業と共にお客様の元へ伺い、自ら図面を引き、工事が始まれば図面通りか現場でチェックする。
そして、何より大切にしたいのは、「最初から最後まで寄り添い続けること」です。一つの案件に対して最も長く、深く関わり続けるからこそ、お客様の細かなこだわりを一つもこぼさず、完成というゴールまで守り抜ける。この一貫性にこそ、設計職としての本当の誇りがありますね。

ーーそれだけ広い領域を担うのは、苦労も多いのではないでしょうか。

確かに責任は重いですが、その分「手触り感」がまったく違います。大きなプロジェクトの一部分だけを担うのではなく、自分の仕事がどう形になり、お客様がどう喜んでくださるかをダイレクトに実感できる。ここに、ものづくりの本来の醍醐味が詰まっています。

街の風景に残る、「設計を楽しむ」という原点。

ーー設計職の未来について、どのように感じていらっしゃいますか。

今は2次元の図面から3次元(3D)へと、技術が劇的に進化している過渡期です。そのため、新しい発想を持つ若い世代には大いに期待していますね。デジタル技術と、私たちが培ってきた泥臭い現場の知恵が融合すれば、もっと面白い設計ができると感じています。

ーー会社には、どのような変化を期待されていますか。

今は大きな世代交代の時期に差し掛かっていると感じています。今まで守り続けてきた「誠実なものづくり」をベースにしながら、今の時代に合った新しい花谷建設へと進化していく。
そのプロセスに、自分も設計という立場から貢献できることが、今から非常に楽しみです。

ーー最後にこれから入社される方にメッセージをお願いします。

「設計を楽しむ」という気持ちを持ってほしいですね。常に学習し続けることは大変ですが、自分の思い描いた空間が街の風景として残る喜びは格別です。
80年の歴史を持つこの会社で、伝統を大切にしながらも新しい風を吹かせてくれる、そんな人たちにお会いできることを楽しみにしています。

Entry

「花谷」で共に働きたい方へ

花谷は、お客さま一人ひとりと誠実に向き合いながら、
信頼と価値を積み重ねてきました。

私たちは今、ともに未来をつくる仲間を募集しています。
ここでしか描けないキャリアを、一緒につくりませんか。

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