Cross Talk #02
DX推進
80年の伝統をデジタルの力で進化させる。
花谷建設が描く、新しい姿とは
施工管理として現場経験を積む中で、業務効率化の重要性を痛感した経験を持つ。現在は管理本部にて全社的なDX推進、基幹システムの導入、ノーコードアプリの開発などを中心となって推進している。
入社1年目から改修工事や市営住宅の新築工事、現在は解体工事と多岐にわたる現場を経験。工程管理や安全管理において、デジタルの力を取り入れながら、若手リーダーとしての道を歩んでいる。
創業から80年以上の歴史を誇り、関西の街づくりを支え続けてきた花谷建設。今、この老舗企業に新しい「進化」の波が訪れています。その中心にいるのは、デジタルの力を柔軟に取り入れることで、現場の負担を減らし、より質の高い仕事を目指そうとする若手社員たちです。
今回の対談に登場するのは、2021年に入社した同期の二人。現在は、施工管理として現場を支える立場と、管理本部でDX推進を担う立場に分かれ、それぞれ異なる場所から会社と向き合っています。立場は違えど、「現場をより良くしたい」という共通の想いを持つ二人から、花谷建設の現在の取り組みをご紹介します。
施工管理とDX推進。異なる道を歩む同期の原点
ーーお二人の入社当時のエピソードから伺わせてください。同期として入社された際、お互いにどのような印象を持っていましたか?
最初の研修でグループワークをした時、彼とは思考のベクトルが近いなと感じたのを覚えています。課題に対するアプローチや考え方に共通点が多く、すごく話しやすかったんですよね。
初期の頃からツールの扱いに非常に長けていて、CAD一つとっても操作の正確さとスピードが際立っていました。その仕事ぶりを見て、論理的で知的な同期だなという印象を持っていました。
ーー現在の具体的なお仕事内容について、教えてください。
私は入社から5年、一貫して施工管理を担っています。主な業務は工程の進捗管理や現場の安全パトロール、各専門業者の方との調整業務です。
最近では現場の進行だけでなく予算管理などの領域にも携わり始め、現場を統括する難しさと面白さを同時に感じているところです。
私は管理本部の立場から、現場がより付加価値の高い仕事に集中できるよう、デジタル面からバックアップしています。具体的には、全社で使用する基幹システムの選定や導入、ノーコードツールを活用した専用アプリの開発が中心です。例えば、これまで紙や電話でやり取りしていた業務をスマホ一つで完結できる仕組みを作るなど、現場の「不」を解消するプロジェクトを進めています。
ーーそれぞれの職種において、最も大切にされていることを教えてください。
私が何よりも徹底しているのは、常に工程の「数手先」を読むことです。施工管理の現場では、一つの遅れが全ての工程にドミノ倒しのように影響します。
だからこそ、単に期限を守るだけでなく、数日後に起こり得る資材の干渉や職人さんの手待ち時間を予測し、事前に対策を打つ。現場の動きを止める要因をあらかじめ排除しておくことが、最終的な施工の品質と、現場に関わる全員の心の余裕に繋がると考えています。
私の信念は「現場を置き去りにしないDX」ですね。どんなに優れたシステムでも、現場の人たちが「便利だ」と実感できなければ意味がありません。
だからこそ、新しいツールを導入する際には、必ず現場の視点に立ってレクチャーを行います。「これを使えば、あなたの業務がこれだけ減ります」と、具体的なメリットを提示する。現場の声が実際に形になる成功体験を積み重ねることで、誰もが前向きに取り組める土台を作っていきたいと考えています。
「現場を知る自分だからできること」キャリアチェンジの裏にある決意
ーー同期のキャリアチェンジを、現場に残る立場からどう見ていましたか?
「彼なら現場の課題を解決してくれそう」という期待が大きかったですね。どんな課題があるかを彼は身をもって知っているので、現場にとってもプラスになる予感がありました。
私自身、施工管理として現場で働いていた際に「もっと効率的にできれば楽になるのに」と感じることが多々ありました。任命されたときは、現場の肌感覚を知っている私だからこそ、皆さんが本当に助かったと実感できるまで一番の理解者として伴走したいと思っていましたね。
ーー現場の痛みがわかるからこそ、熱量も高まったのですね。
まさにそうですね。特に現場時代に感じていたのは、データが「単発」で終わってしまっているもどかしさでした。紙のデータを電子化して帳票に転記する。作業はそこで終わり、その貴重なデータが後の現場や安全管理に活かされず、その場限りで消えてしまうのはもったいないと感じていました。
そのような現場監督時代に感じていたモヤモヤを、今度は作る側に回って解消していける。そこに大きなやりがいを感じていました。
デジタルの力が現場の「余裕」を創り出す
ーー導入によって現場の仕事はどのように変化したのでしょうか。お二人それぞれの視点から教えてください。
一番大きな変化は施工管理ツールの導入ですね。
特に「工事写真の整理」は、従来に比べて劇的に早くなりました。以前使っていたツールは容量が大きいと処理に時間がかかることも多かったです。でも、新しく導入されたシステムは動作も軽く、現場で撮った瞬間に整理が終わります。感覚としては、写真整理にかかる時間はかつての十分の一というレベルまでカットされた実感がありますね。
それと連動して、確認工程のスピードも格段に上がりました。以前も写真整理用のソフトはありましたが、あくまでPCに保存するためのものでした。そのため、「写真を印刷し、上司に紙を見せて承認をもらう」というアナログな工程が必要でしたが、今はすべて画面上で完結します。このフローの短縮が、現場全体のスピード感の向上に直結していますね。
デジタルの導入で現場の業務は変わりつつありますが、それはまだ一歩目に過ぎません。現場の「不」を一つずつ解消したその先に、全社的な生産性の向上や新しい働き方の実現があると考えています。
こうした変化をさらに加速させるために、今は「安全パトロール」のアプリ化を構想中です。現場と本社のやり取りをデジタル化し、事故の傾向などをデータとして蓄積したい。それが実現すれば、新入社員でもベテランと同じ視点でリスク管理ができるようになります。
現場の知見をシステムが補完し、若手が迷わずに動ける環境を作る。そんな、全社員にとって「あって良かった」と思われる仕組みを形にし、花谷建設の底上げに貢献していきたいですね。
ーー現場の声を吸い上げ、システムがそれを形にする。まさに二人三脚での変革ですね。
現場の皆さんからの生の声は、開発側にとってもありがたいです。DXの推進によって、事務的な手続きや整理業務に追われる時間を減らし、施工管理の本質である「技術の習得」や「現場の運営」に力を注ぐことができる。そんな現場を作っていきたいです。
役員も挑むAI活用。80年の歴史をアップデートする挑戦
ーー歴史ある企業だからこその難しさもあったかと思いますが、導入にあたって意識されたことはありますか。
現場を支えてきたベテランの皆さんがどう受け止めてくださるか、期待と不安が入り混じる思いでしたが、蓋を開けてみると非常にポジティブでした。
AIの勉強会をした際も、取締役の方が「これ便利やね」と積極的に活用してくださって。そういった方々が率先して「まずは自分たちが使ってみよう」と背中を見せてくれたおかげで、皆が前向きに取り組めるようになりました。
ーー新しい挑戦を支える、花谷建設ならではの「組織の風土」について教えてください。
花谷建設には「上層部が名前を覚えて話しかけてくれる」ような、フラットな文化があります。取締役の方が現場に来て「最近どう?」と気さくに話しかけてくれる。そんな風通しの良さがあるからこそ、若手が提案する新しい仕組みも、受け入れられるんだと思います。
私も、社会に出る前は「会社はもっと堅苦しい場所だ」と思っていましたが、花谷建設はそのイメージを良い意味で裏切ってくれました。部門責任者の方々が、若手の提案に対等に向き合い、真剣にフィードバックをくれる。この役職を超えた対話のしやすさは、弊社の強みだと思います。
そして、DXで業務を効率化すれば、余った時間でもっと深いコミュニケーションが取れるようになる。古き良き文化を守るためにこそ、以前のやり方をアップデートしていく。そんな前向きな空気が、今の花谷建設には満ちていると感じます。
ーー最後に、これから仲間に加わる方々へメッセージをお願いします。
建設は、自分の手がけた仕事が地図に残り、人々の人生を支える誇りある仕事です。そして、花谷建設には若手の挑戦を後押しする文化があり、意欲さえあれば、若いうちから現場を動かす本当の醍醐味を味わえる環境です。技術者としての第一歩を、ぜひ花谷建設で踏み出してください。
弊社は今、80年の伝統を大切にしつつも、システムや制度をより良くしていくチャンスが溢れています。自らの手で仕組みを創り、会社の未来を切り拓くことにワクワクできる方には、これ以上ない舞台です。新しい風を吹き込んでくれる方に出会えることを楽しみにしています。